1. 部門の概略
わが国では脳卒中(脳血管障害)を起こす割合が諸外国に比べて高く、死亡原因の第3位、総医療費の第4位、高齢者医療費の第1位を占めます。団塊の世代が脳卒中適齢期を迎え、脳卒中の患者は今後も増え続けることが予想されます。脳卒中は、高齢化日本が克服しないといけない、大きな壁です。脳卒中の大半の患者さんには、専門的な内科治療が必要です。しかし、脳卒中は長年、治らない病気と位置付けられ、十分に治療することができませんでした。私たちの科は全国に先駆けて1977年に開設され、翌1978年からは脳卒中ケアユニット(SCU)での集約的な急性期内科治療を始めました。tPA静注療法を始めとする急性期の各種内科治療や、脳血管障害の超音波検査や各種画像検査などの診断法の確立に、全国の中心施設として貢献してきました。最近ではtPA静注療法やSCUが全国に普及し、「脳卒中は治る病気」と認識されるようになりましたが、私たちは現在でも国内外の脳卒中診療をリードして、地域の急性期中核病院として、また全国のセンターオブセンターとして、脳卒中制圧を合言葉に日々の診療を行っています。
2. 副院長の挨拶
『脳卒中診療を志す若い医療者の皆さんへ』
「NihilismからActivismへ! 脳卒中ほど大転換がおこった医学分野を知らない」…脳卒中医学専門誌“Stroke”の編集長Hachinski教授の言葉です。約30年前までは、「正確な診断は死なないと分からない」状況で、特効薬アルテプラーゼ(tPA)が世に出て未だ10数年しか経っていません。わが国でも近年になってアルテプラーゼが承認され、脳卒中ケアユニット加算が新設されるなど、脳卒中診療現場に大変革が巻き起こっています。
Nihilism時代に始まった国立循環器病研究センター脳卒中集中治療室(SCU)とレジデント制度ですが、これらの創設自体がActivismだったのです。レジデント第2期生の私(九州出身)も、時の部長の山口武典先生(理事長、日本脳卒中協会理事長)から脳梗塞超急性期治療プロジェクトを任せられ、地元に帰るに帰れずに現在に至りました。全国各地からやって来る後輩たちと切磋琢磨しながらの30年余りでしたが、彼らが現在のわが国の脳卒中医療を支え、その中から「脳卒中医学」を看板に掲げる大学教授も誕生しました。
しかしながら、今なお脳卒中は最大の要介護性疾患であり、患者数も今後20年で倍増すると予想されています。30年後の脳卒中医療はどのようになっているでしょうか?これからのわが国の脳卒中医療を志向する若い皆さんの双肩にかかっていることだけは間違いありません。
(峰松 一夫)
3. 見学・研修を希望される方へ
脳血管内科・脳神経内科は、見学・研修を希望される皆さんに、広く門戸を開いています。 見学は1-2日程度の日程から、数週間程度のものまで、見学を希望される方の事情に合わせて適宜設定できます。 研修に関しては、
レジデント(後期研修医)、
専門修練医の制度を利用して、多くの若手医師が全国から集まっています。また任意研修制度を利用して、研修開始時期や研修期間を希望者の事情に合わせて適宜設定できます。
4. 二つの診療科に分かれて、切磋琢磨しています