


| 氏名 | 職名 | 専門医資格 | 専門領域 |
|---|---|---|---|
| 長束 一行 | 部長 | 日本内科学会認定医 日本脳卒中学会専門医 |
脳血管障害 超音波診断 医療連携 |
| 宮下 光太郎 | 医長 | 日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本神経学会専門医・指導医 日本脳卒中学会専門医 |
脳卒中 神経内科 褥瘡 |
| 森脇 博 | 医長 | 日本内科学会認定医 日本脳卒中学会専門医 日本核医学会核医学専門医 日本頭痛学会頭痛専門医 |
脳血管障害 脳核医学 脳卒中の画像診断 |
| 田口 明彦 | 脳循環研究室 室長 |
日本内科学会認定医 日本脳卒中学会専門医 |
脳血管障害 |
| 梶本 勝文 | 医師 | 日本内科学会認定医 日本内科学会総合内科専門医 日本脳卒中学会専門医 日本核医学会専門医 |
脳血管障害 脳循環代謝診断 |
| 斎藤 こずえ | 医師 | 日本脳卒中学会専門医 日本神経学会専門医 日本内科学会認定医 |
脳血管障害 超音波診断 |
| 専門修練医:大塚 伸子、田中 智貴、滝澤 歩武 レジデント:神吉 秀明、土井尻 遼介、上村 昌寛、安井 麻里子 |
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脳神経内科(脳内Bグループ)では、超急性期脳梗塞に対して血栓溶解療法を行う一方で、下記に紹介するようなユニークで夢のある治療法や診断法の開発に力を注いでいます。
下肢動脈閉塞や心臓の分野では既に臨床応用されている再生医療(自己細胞移植による)の脳梗塞に対する適応は世界的に見ても未だ全く未知数の領域です。我々は基礎研究から開始して、これまでにラットや霊長類で安全性・有効性を検証し、2008年厚生労働省の認可を受け臨床試験が開始できることになりました。2009年5月に第一例目の再生医療が重症心原性脳塞栓症患者に行われ、2010年7月に6例目まで行われ、2010年8月6日独立症例検討委員会で安全性が承認され、続いて高容量群(髄液採取50ml)6例に移行します。対象が重症例であったにもかかわらず経過は順調で、皆さまにご報告できる日も近いと思います。
【図1.脳梗塞に対する再生医療への取り組み】

抗血小板剤や抗凝固薬は血栓症の一次、二次予防のために莫大な人数に投与されています。これらの薬剤は大規模臨床試験で得られたエビデンスをもとに投与されているわけですが、特に抗血小板剤は最近個々の症例でみると同じように効いているわけではないことが分かってきました。アスピリン抵抗性やクロピドグレル抵抗性と呼ばれ、海外でも話題となっていますがまだその実態が不明で、特に日本人のデータはほとんどありません。我々はアスピリンおよびクロピドグレルの作用を種々の方法で計測し、遺伝子情報も合わせて、個別化医療の確立に向けて臨床研究を実施中です。
診断分野においては、頸動脈エコー検査を20年以上前から臨床に取り入れ、カラードプラ法の応用、プラーク性状の定量的評価、プラークの可動性の評価と新たな診断指標を提唱し、長年にわたり日本の最先端をいく施設としてリーダーシップを取ってきています。経頭蓋超音波検査にも1995年から取り組み、微小栓子シグナルの検出、治療評価への応用、再発との関連、血行再建術の術中モニタリングなど幅広く利用してきています。また卵円孔開存による奇異性脳塞栓症の塞栓源として、深部静脈血栓症の検出は確定診断に最も重要な項目でありましたが、下腿の静脈エコーにより高頻度に検出できることをいち早く報告し、現在では日本中の脳卒中診療機関で定着しています。
脳保護療法に対するユニークな取り組みとして、我々のグループでは脳温調節を長年に渡り試みてきています。最初は全身低体温療法に始まり、最近では高齢者にやさしい局所低体温療法や解熱剤の投与による平温療法を試みています。局所脳低温療法は、冷却水を循環できる帽子をかぶっていただくことで、わずかではありますが脳温が下がり、抗脳浮腫作用や出血性梗塞の予防効果が認められています。また平温療法は解熱剤であるロキソプロフェンを投与することにより、発熱を抑制します。ケースコントロール解析で、やはり抗脳浮腫作用が認められています。
脳卒中患者の死因として、慢性期も含めると肺炎が最も大きな原因であり、嚥下障害がその基点となっています。しかし嚥下機能評価には定量的な指標が無く、治療効果の判定も曖昧なままで、科学的根拠が示せません。我々は新たに開発中の舌圧センサーを用いて、嚥下機能定量化に取り組んでいます。舌の一体化した動きが、嚥下障害患者で障害されている様子が一目瞭然で、数値化を試みています。
【図2.舌圧センサーと計測装置】
穿通枝領域の進行型脳梗塞も我々の大きなテーマの一つで、穿通枝梗塞の約20%が進行するといわれており、より早期から進行を予測する方法の検討と脳保護薬を含めた四者併用療法を試みています。前向き登録調査により進行群は入院時から若干体温が高いという新知見も得られています。
エダラボンに筋萎縮防止作用があるのではないかというユニークな観点から、エダラボンを2週間投与した群を追跡したところ、患側だけではなく健側の廃用性萎縮を防ぐことが可能であるという新たな知見を得ることができました。
脳卒中の地域連携は、急性期病院と回復期リハビリテーション病院間に関しては地域連携パスの導入もありシームレスな連携が全国で進みつつありますが、維持期になっても適切な再発予防治療を継続し、維持期に必要なリハビリを継続するための維持期との連携は今後の大きな課題として残っています。我々は維持期との連携の重要性をいち早く提言し、国立循環器病研究センターが所属する大阪府豊能2次医療圏を地域連携のモデル地区として維持期との連携も包括した地域連携パスを展開しています。
【図3.豊能地域脳卒中連携パスのオーバーフロー】
脳卒中は循環器疾患としての側面ばかりでなく神経疾患としても重要な位置を占めていることは周知のことです。しかもその鑑別診断や後遺症として、頭痛やめまい、てんかん、認知症、うつ状態やパーキンソン症候群など多くの神経疾患を診療する必要性に迫られます。当院には日本神経学会の専門医および指導医が5~10名常勤医として勤務し、日本神経学会の教育施設に認定されており、脳卒中を含む神経疾患を専門的に診療する体制が確立しています。
【上記研究を進めるために参加した主な共同研究】
| 研究費名 | 年度 | 題名 | 主任研究者 |
|---|---|---|---|
| 厚生労働科学研究費補助金 | 平成 22~24年 |
動脈硬化の多角的評価による脳卒中個別化治療開発に関する研究 | 長束 一行 |
| 循環器病研究開発費22-1-1 | 平成 22~24年 |
血栓症発症抑制を目的とした抗血小板薬の薬効評価法ならびに血栓症を高頻度に合併する疾患群の最適診断法の確立を目指した病院・研究所共同研究 | 宮田 敏行 |
| 循環器病研究開発費22-4-1 | 平成 22~24年 |
新しい脳卒中医療の開拓のための均てん化のためのシステム構築に関する研究 | 峰松 一夫 |
| 循環器病研究開発費22-4-6 | 平成 22~24年 |
循環器急性期診療体制の構築と評価に関する研究 | 野々木 宏 |
| 循環器病研究開発費22-3-1 | 平成 22~24年 |
脳梗塞患者に対する細胞治療の発展とその普及 | 田口 明彦 |
| 循環器病研究委託費 21指-10 | 平成 21年 |
複雑化する脳・心血管疾患病態における適切な抗血栓治療の開拓 | 長束 一行 |
| 循環器病研究委託費 21指-1 | 平成 21年 |
わが国における循環器病の発症、治療成績等のデータベース作成 | 小久保 喜弘 |
| 循環器病研究委託費 21指-4 | 平成 21年 |
脳卒中診療の均てん化のためのシステム構築研究 | 峰松 一夫 |
| 厚生労働科学研究費補助金 | 平成 21~23年 |
保健指導を中心とした脳卒中及び心筋梗塞の再発予防システムとエビデンス構築に関する研究 | 大森 豊緑 |
| 厚生労働科学研究費補助金 | 平成 21年 |
脳梗塞急性期におけるミノサイクリンの脳保護作用についての臨床研究に対するプロトコール作成研究 | 高橋 毅 |
| 循環器病研究委託費 | 平成 21年 |
自己幹細胞と生体組織を活用した循環器疾患に対する再生医療の研究開発 | 山岡 哲二 |
| 循環器病研究委託費 | 平成 21年 |
卵膜をはじめとする胎児付属物を用いた再生・移植医療の実用化に関する研究 | 池田 智明 |
| 長寿医療研究委託費 | 平成 21年 |
循環器病疾患患者における高齢者の特性に応じた治療法等の研究に関わる調査研究 | 清水 敦也 |
| 循環器病研究委託費 | 平成 21年 |
抗血小板薬の脳虚血再灌流障害に対する治療効果の検討 | 田口 明彦 |
| 循環器病研究委託費 20公-1 | 平成 20~21年 |
循環器疾患の地域連携パスの効果的運用システムの確立に関する研究 | 後藤 葉一 |
| 循環器病研究委託費 19指-2 | 平成 20~21年 |
急性循環器疾患の重症度評価及び治療成績評価システムの開発と効果的運用に関する研究 | 横山 広行 |
| 循環器病研究財団 | 平成 19~22年 |
テルミサルタン(telmisartan)の脳保護効果に関する臨床研究 | 成冨 博章 |
| 厚生労働科学研究費補助金 | 平成 19~21年 |
SPECT検査の精度向上と施設間誤差のない標準的画像診断法の確立に関する研究 | 飯田 秀博 |
| 厚生労働科学研究費補助金 | 平成 19~21年 |
脳卒中地域医療におけるインディケーターの選定と監査システム開発に関する研究 | 峰松 一夫 |
| 厚生労働科学研究費 | 平成 19~20年 |
心原性脳塞栓症患者に対する細胞治療の臨床試験とその発展 | 田口 明彦 |
| 循環器病研究振興財団指定研究助成 | 平成 19~22年 |
酸化ストレス及びPPARγ活性化による脳梗塞機能回復に関する研究 | 田口 明彦 |
| 平成18年度保健医療分野における基礎研究推進事業研究プロジェクト | 平成 18~22年 |
がん・循環器領域等における前向き臨床試験を用いた薬剤奏効性・安全性のシグナル検出大規模データベース構築を目指した研究 | 宮田 敏行 |
| 循環器病研究委託費 18公-2 | 平成 18~20年 |
粥状硬化性機序に関する難治性脳梗塞の診断・治療・予防に関する研究 | 成冨 博章 |
| 循環器病研究委託費 18公-3 | 平成 18~20年 |
急性期脳梗塞の血圧動態と降圧療法に関する研究 | 宮下 光太郎 |
| 厚生労働科学研究費補助金 | 平成 18~19年 |
脳梗塞急性期から開始する筋萎縮阻止薬療法が慢性期運動機能に与える影響に関する研究 | 成冨 博章 |
| 厚生労働科学研究費 | 平成 18~20年 |
細胞工学的手法を用いた中枢神経障害に対する根治的治療法の開発 | 田口 明彦 |
| 医薬品機構基盤研究費 | 平成 18~20年 |
自己細胞移植による神経・筋肉変形疾患の根治的治療法の開発 | 出澤 真理 |
| 厚生労働科学研究費補助金 | 平成 17~19年 |
抗凝固薬・抗血小板薬の標的およびこれら薬剤を修飾するタンパク質・遺伝子の解析を通した最適投与量の評価方法の標準化に関する研究 | 宮田 敏行 |
| 医薬基盤研究 | 平成 17~19年 |
「高齢社会で増加する神経疾患の運動障害計測・診断支援機器の開発」に関する研究 | 佐古田 三郎 |
| 厚生労働科学研究費補助金 | 平成 17~19年 |
正常圧水頭症と関連疾患の病因・病態と治療に関する研究 | 湯浅 龍彦 |
| 循環器病研究委託費 16指-1 | 平成 16~18年 |
循環器病臨床評価指標の質的向上と効果的活用法の研究 | 岡山 明 |
| 循環器病研究委託費 16公-7 | 平成 16~18年 |
脳卒中、脳血管性痴呆症に対する再生医療技術を用いた治療法の開発に関する研究 | 田口 明彦 |
| 厚生労働科学研究費補助金 | 平成 16~17年 |
わが国におけるStroke unitの有効性に関する多施設共同前向き研究 | 峰松 一夫 |
| 厚生労働科学研究費 | 平成 16~18年 |
心筋微小血管造影技術の開発による糖尿病性心筋微小循環障害の可視化 | 盛 英三 |
| 循環器病研究委託費 15公-1 | 平成 15~17年 |
循環器疾患における抗血栓療法の問題点と対策 | 板東 興 |
| 循環器病研究委託費 15公-3 | 平成 15~17年 |
脳磁図(MEG)を用いた脳虚血による局所性機能異常の非侵襲的診断法に関する研究 | 成冨 博章 |
| 厚生労働科学研究費補助金 | 平成 15~17年 |
脳卒中・虚血性心疾患臨床と地域疫学のデータベースのプラットフォーム化と分子疫学を基軸とした発症機序の解明に関する研究 | 友池 仁暢 |
| 循環器病研究委託費 14公-1 | 平成 14~16年 |
超急性期虚血性脳血管障害に対する非侵襲的診断・モニタリングシステムの構築に関する研究 | 畑澤 順 |
| 循環器病研究委託費 14指-3 | 平成 14~16年 |
わが国における頸動脈狭窄病変の治療の現状分析及びガイドライン作成に関する研究 | 遠藤 俊郎 |
| 厚生労働科学研究費補助金 | 平成 13~15年 |
脳磁図を用いた高齢者平衡機能障害の診断と機序解明および転倒予防に関する研究 | 成冨 博章 |
| 厚生労働科学研究費補助金 | 平成 13年 |
脳梗塞急性期の具体的な医療手順に関する研究 | 成冨 博章 |
| 科学技術庁:ブレインアタックから脳を守る研究 | 平成 9~13年 |
急性期脳梗塞に対する低体温治療の効果に関する他施設共同研究 | 成冨 博章 |